相続のお話 ⑥

【相続に関する期限(放棄・準確定申告・相続税申告)】

相続には大きく3つの期限があると言われています。

一つ目が「相続の放棄」の期限です。

自己のために相続の開始があったこと(被相続人が亡くなったことと、それにより自分が相続人となったこと)を知った時から3か月以内に相続を放棄する場合は、被相続人の居住地を管轄する家庭裁判所に届け出を行わなければなりません。

ここでの注意点は、亡くなった日から3か月以内ではなく、相続人自身が相続人になったということを認識してから3か月以内という点です。

二つ目の期限が「準確定申告」の期限です。

こちらは被相続人が死亡した日から4カ月以内と定められています。準確定申告とは「亡くなった人の所得税の確定申告」のことを言います。当然のことながら、亡くなった本人が準確定申告をおこなうことができませんので、亡くなった方の「相続人全員」で手続きをおこないます。したがって、今まで確定申告が不要だった方が亡くなった場合、準確定申告も不要の場合が多くなります。ただし、死亡前に入院などをしており、医療費等が通常よりもかかっていた場合、準確定申告をおこなうことで、払いすぎた税金が還付される場合がありますので、こちらも税理士に併せて相談すると良いでしょう。

三つ目の期限が「相続税の申告と納税」の期限です。

今までの三つの期限の中で一番よく知られているものかもしれません。こちらは、被相続人の死亡日から10カ月以内と期限が設定されています。

相続税の申告は必ずしも全員が必要なものではありませんが、相続税の申告が必要な場合には、10カ月という期限が設定されているため、その手続きは非常にタイトなものになります。

10カ月と聞くと時間があるから大丈夫と思われる方も多いと思いますが、お通夜、告別式、四十九日までとその後の法要、や各種手続き等を考えると実際に手続きにあてる時間はあまり多くないのが現状です。

相続では、さまざまな専門家(弁護士、司法書士、税理士、不動産業者など)の力を借りなければ、申告・納税を完了させるのは困難な場合が多いというのが、相続手続きの現状となっています。

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